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夜市の中でもとりわけ僕がびっくりしたのが果物のお店。
みんなが焼きビーフンや臭豆腐を食べている間、僕は少し離れた、夜市の端っこの方まで歩いてみた。
端っこの方にはおもちゃを売っているお店や、ペラペラな雑誌だけが置いてあるお店があって、人も少なくてちょっと不思議な雰囲気だった。
その中で一番大きなお店が果物の屋台だった。
手のひらに収まるぐらいの大きさの果物が信じられないぐらい何種類もそこ置かれていた。
見たこともないような形や色の小さな果物が何百個も並ぶ店先はとてもカラフルで見ているだけ甘酸っぱい匂いがしてくるような気がした。
トゲトゲだったり、三角形だったり、RPGに出てくるようなその果物たちはなんだかとても魅力的だった。
その屋台を眺めているだけでなんだかクラクラしてしまうような、夢の中にいるような気分になった。
どれか一つ買ってみようかな、と思ったけど、本当にどれがどんな果物かわからなくて怖気付いてしまった。

写真はまた違う果物屋さんで、果物をその場でジュースにしてくれるお店。
南の国だからマンゴーが美味しいよ、とスパイキーに教えてもらったからそれを彩加さんが注文した。
店先には見たこともないぐらい大きなマンゴーや、それよりももっとでかい緑の果物が並んでいたけど、さっきの屋台で見たような不思議な果物は置いていなかった。
マンゴーのジュースはびっくりするぐらい甘くて濃くて美味しかった。

次の日に行った街でも果物屋さんを探して見たけど、あの不思議なお店にあったような果物はどこにも売ってなかった。


今度はあの不思議なお店で果物を買おうと思う。

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​福富優樹